お疲れ様です、ichiです。
スズキ・エブリイバンは、車中泊やDIYカスタムのベース車として非常に人気の高い軽バンです。
しかし純正状態では、バックドアを車内側から開けることができないという大きな不便さがあります。
車中泊中に外に出ずに荷物を出し入れしたい時、雨の日や人目を避けたい場面、あるいは安全面を考えたときに「中から開けられない」ことは想像以上のストレスになります。
以前にもチョークワイヤーで細工をしたパネルをつくって使っていたのですが、ワイヤー式だと固くて解除しにくい問題がありました。
前回のバックドア開閉仕様はこちら
そこで今回は、エブリイバンのバックドアを車内から簡単&シンプルに開けられるようにするDIYを紹介します。
「え、こんな簡単な方法があるの?」というくらい驚きの実体験ベースで詳しく解説します。

YouTubeでも配信しているので、動画で観たい方はこちらをご覧ください。
一般的な方法との違い|チョークワイヤー式との比較

エブリイのバックドア車内開閉DIYでよく見かけるのが、
- チョークワイヤーを使う方法
- 自転車用ワイヤーでレバーを引く方法
といった「ワイヤー式」です。
これらは比較的簡単に施工できる反面、
- ワイヤーが伸びる・切れる可能性
- 取り回しが難しい
- 見た目がDIY感強め
- 冬場に固くなることがある
といったデメリットもあります。

今回紹介する方法は、バックドア純正のドアノブを裏側から直接手で引くという、非常にシンプルで確実な構造です。
- ワイヤーを使わない
- 可動部が少ない
- 故障リスクが低い
- 直感的で分かりやすい
これが最大の強みです。
今回のDIYの完成イメージ

イメージは、上の図のとおり。
必要なサイズにした合板を内張のカタチにして、手をいれる穴を中心下につくります。
- バックドア内張を合板で自作
- ドアノブ裏側の位置に直径80mmの穴を開ける
- その穴から手を入れて、純正ドアノブを直接引く
- 内張はボルト固定でしっかり固定
一見すると「ただ穴を開けただけ」に見えますが、固定方法と位置決めが非常に重要です。
使用した材料・工具一覧
材料

- 合板(内張用・厚み12mm)
- 純正パネル
- M5 ブラインドナット
- M5 トラスボルト
- ワッシャー(内張固定用)
- 鬼目ナット(M5)
- 取手
工具一覧

- 電動工具
-
- ジグソー
- 丸ノコ
- ドリルドライバー
- トリマー
- サンダー
- 糸鋸盤
- 先端工具
-
- ドリル(6mm)
- 片刃フリーカッター
- ボーズ面ビット
- サンドペーパー(サンダー用)
- ステップドリル
- 道具
-
- マーキング用鉛筆
- 差し金
- 手ノコ
- クランプ
- サンドペーパー
- コンパス
- メジャー
- ボンド
- ハンドナッター
工具については、記事の最後にまとめて商品リンクを貼っています。
必ずしも全てが必要な工具ではないので、環境や用途によって参考にしてみてください。
内張の取り外しと構造位置確認

まずは、純正のバックドア内張を取り外します。
クリップで固定されているだけなので、内張剥がしを使えば比較的簡単に外れます。
内張を外すと、
・ ドアノブの可動構造
・ クリップ固定用の穴位置
が確認できます。
このドアノブとクリップ固定用の穴が、今回の要になります。

ドアノブ裏にアクセスできるようにパネルに穴をあけるので、ドアノブの位置を確認しておきます。
合板内張パネルの製作

取り外した純正内張を合板の上に置き、外形をなぞって型を取ります。
多少の誤差は問題ありませんが、外周と固定の穴位置はできるだけ正確に写します。

次に、ドアノブにアクセスする穴の位置を合板にマーキングします。
ここがズレると、手が入りにくくなったり、ドアノブに届かなくなるため慎重に。
完成イメージの図を参考にしてみてください。
(※穴の位置はご自身で確認を)

純正内張を書き写したラインを頼りにカットします。
曲線はジグソー、直線は丸ノコで切るとキレイにつくれます。

バックドアに固定するためにボルトを使いますが、その穴をあけておきます。
M5ボルトを使うので、6mmのドリルで全11箇所の穴あけ。

車内からドアノブを操作するための穴をあけます。
- 直径80mmの穴を開ける理由
-
今回、ドアノブ裏に開けた穴のサイズは直径80mmです。
このサイズにした理由は、
• 大人の手が無理なく入る
• 冬用グローブでも操作可能
• 見た目のバランスが良いという点です。
片刃フリーカッター、もしくはホールソーを使って、一気に穴を開けます。
※開けた後は、必ずバリ取りを行いましょう。

パネル外周とドアノブ裏用の穴を、トリマーで面取りします。

パネル表面と穴のフチを、サンダーとサンドペーパーで研磨しておきます。

私は廃材を利用して、ヒノキの集成板でフタをつくりましたが、同じ合板でつくってもOKです。
穴が直径80mmなので、ちょっと大きめの「120mm」でフタをつくりました。

ボルトを通す穴をあけます。
M5のボルトを通すので、6mmのドリルで穴あけ。

次は、フタの固定をしていきます。
M5の鬼目ナットを使いますが、「7.1mm〜7.5mm」を下穴をあけないといけません。
そのサイズのドリルを持っていれば問題ありませんが、ちょうどいいサイズのドリルがない場合はステップドリルなどで拡張するのもアリです。

今回使う鬼目ナットは「Aタイプ」で、叩き込んで埋めるタイプです。
固定力が増すので、ボンドも併用するがおすすめ。

埋め込んだ鬼目ナットに、ボルトでフタを固定します。
回転できるように、締め付けは調整しておきます。

最後に、取手を取り付けます。
今回は、裏側からボルトで固定するタイプの取手を使いました。

これでパネルの完成です。
ちょっと安っぽいですが、自作にしては全然いいのではないでしょうか。
パネル固定の問題と解決策

合板パネルをそのまま当ててみると、固定できない問題に直面します。
なぜなら、
- 純正は樹脂クリップ固定
- 合板にクリップは使えない
からです。
では、どうするのか?
解決策は、「ハンドナッター+ブラインドナット」です。

純正内張を固定していたクリップ穴を利用し、
- 穴を適正サイズに拡張
- ブラインドナットを打ち込む
- 合板パネルをボルトで固定
という方法を採用しました。

これにより、
• ガッチリ固定できる
• 脱着が容易
• 見た目もスッキリ
というメリットが得られます。
バックドアを車内から開ける仕組み

完成後の使い方は非常にシンプルです。
- 内張の穴から手を入れる
- 純正ドアノブを直接引く
- バックドアが開く
この車内から開ける方法には、ワイヤーもレバーもありません。
「人の手が直接操作する」
これ以上に簡単で壊れにくい、確実な方法はないと思っています。
実際に使って感じたメリット・デメリット

メリット

• 開閉が確実で軽い
• 故障の心配がほぼない
• 構造が分かりやすい
• DIY初心者でも理解しやすい
特に車中泊時は、ストレスゼロで開閉できます。
デメリット・注意点

もちろん注意点もあります。
• 穴が見えるため見た目の好みが分かれる
• 内張を純正には戻せない
• 防音・断熱性は若干低下
見た目が気になる場合は、ゴムモールを付けるなどといった工夫もおすすめです。
車中泊でも大活躍!

車中泊では、バックドアから出入りすることも珍しくありません。
そんな時にフタをチョイっと回して、ドアノブ裏側を引くだけ。
これでバックドアを開けることが出来るので、車中泊ではこれ以上ラクで簡単な開閉方法はありません。
こんな人におすすめ

• エブリイで車中泊をしている人
• シンプルで壊れないDIYが好きな人
• ワイヤー式に不安がある人
• 内装を木製化している人
特に木工DIYが好きな人には相性抜群の方法です。
まとめ|最強にシンプルな車内開閉DIY

エブリイバンのバックドアを車内から開ける方法として、
「ドアノブを裏側から直接操作する」
という選択は、
• シンプル
• 確実
• 壊れにくい
という三拍子が揃った方法です。
チョークワイヤーなどの可動部を使わず、人の手そのものを動力にすることで、DIYとして非常に完成度の高い仕上がりになりました。
エブリイバンをもっと快適に、もっと自分仕様にしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
それでは皆さま、ご安全に。



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